楽器

池尻大橋へ向かう電車に乗っている。

今日はリペアに出していたTaylerのエレキガットを受け取りに行く。

池尻大橋にはL's TRUSTというギター工房があって、そこの祥平さんにいつもお世話になっている。

祥平さんが作ったベースのプリアンプを愛用してるし、エフェクターの修理とギターの調整、この前は一緒に秋葉原に行ってパワーサプライの材料を選びに行った。

せっかく作るなら、機能も自分用にできるし、デザインも自分好みのものにできますよ、とのことだったので、どれどれ試しにやってみっか、くらいの感じだったけど

選びはじめたらめっちゃくちゃ楽しかった。


秋葉原こそ用事がないといかない街だが、電気街はメイドがひしめいている、というわけでもなく、どちらかというと昭和の香りが満ち満ちていた。

電気系のパーツを取り扱ってるお店、たとえばスイッチだけ大量に置いてあるお店とか、エフェクターの箱だけ置いてあるお店とか、ネジのお店とか。

そういう、ある意味マニアックな専門店が、近代化された日本の主要都市に、まだまだ存在している。



一番思い出として強いのは、スイッチONのときに点灯する電球をデッドストックのものにしたこと。

たまたま寄ったお店にとても好きなデザインの電球があって、店主によると加工の難しさからもう製造してない、とのこと。

そういうの使うと取り替えがきかないからねえ、と言われて、普通ならやめるか、となるところだが

今回は自分専用のものを作るんだから、むしろそういう出会いを製品に込めたい、と感じたので、それを買うことに。

あのあとまだ誰も買ってなかったら、あのお店にあと2個残ってる。

物というのは自分の人生より長く時を過ごしていることもある。

そういう物とこれからを過ごすのは、なんだか面白そうだ。



エレガットの話に戻るが、Taylerといえばアコギの方が断然有名だ。

たまたま立ち寄った楽器店で出会ったギターだが、弾いた音に心を洗われるような気持ちになったため、購入を決めた。

楽器はわりとセカンドハンドのものが好きである。

定価より安い、というのもあるが、新品よりも落ち着きがあるからだ。

不思議と、前の所有者のことは気にならない。

前の所有者がどういう人だったとか、どんな理由で売りに出したのか、とかには興味はなくて

その物が経てきた時間や経験のほうが興味深いから、だと思う。

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